BCPNPにて大きな改訂!今後のドローの動向も要チェック!

BC州への移住方法として人気の高いBCPNP。
2022年3月10日、BC州はHealthcare workerやearly child educatorsの必要性の拡大に対応するため、主にこれらの職種を優先としたSkills Immigration streamの変更を行うことを発表しました。
このページでは、今回の主な変更点と今後BCPNPがどう変わるのかについて解説していきます。

主な変更点の概要

  1. 元々優遇されていた29のTech関連の職種に加え、今回の変更でpre-determined listに登録された、ECE(保育士)及びヘルスケア関連職種に優先的にITAが発行される(Targeted invitations)
  2. Entry Level Semi Skilledカテゴリーに、新たにHealthcare assistants (NOC 3413)とdental assistants (NOC 3411) が追加された
  3. Skilled Workerカテゴリーの必須要件の一つであった「2年間の関連職歴での経験」が廃止され「2年間のスキルド職種での経験」に変わった
  4. High demand occupationへの10ポイント付与が無くなった
  5. 4に関連し、BCPNPでのスコア(SIRS)が200点満点から190点満点に変わった
  6. International Graduateカテゴリーにおいて、NOC 0のマネジャー職は対象外となった

HealthcareとECEに関する変更点

ECEやヘルスケア職種に特化したドローイング(Targeted Draw)

これまでBCPNPでは、Priority OccupationsとしてTech系の29職種が指定され毎回のドローも別枠で行われていました。
今回からはそこに以下の2つのリストが新たにPriority Occupationsとして指定され、職種に特化したドロー(Targeted Draw)が行われる事になりました。

Care Economy: Healthcare occupations (35職種)
Care Economy: Childcare occupations (NOC 4214 :Early Child Educatorsのみ)

※職種をクリックすると実際のリストにジャンプします。

既に3月14日には、tech, healthcare, childcare職種に特化したドローが行われました。

対象職種対象カテゴリーカットオフスコアITAの発行数
Tech・Skilled Worker
・International Graduate
85/190123
Childcare: ECE (NOC 4214)・Skilled Worker
・International Graduate
85/190 27
Healthcare: リストに指定職種・Skilled Worker
・International Graduate
・Entry Level and Semi-Skilled
85/19021
Healthcare: Healthcare assistants
(NOC 3413)
・Entry Level and Semi-Skilled 63/1905
※出典はこちらをクリック(2022年3月15日現在)

ELSSカテゴリーに新たにヘルスケア職種が追加

スキルレベルCやDのいくつかの職種が対象だったBCPNPのEntry Level and Semi-Skilledカテゴリー(ELSS)にも、今回からヘルスケアの職種が追加されることになりました。現在のELSSの対象職種は以下の通りです。

  • 観光やホスピタリティ関連職種(tourism and hospitality)
  • 長距離トラックドライバー(long-haul trucking)
  • 食品加工業(food processing)
  • ヘルスケア関連職種(healthcare)※3411及び3413←今回新たに追加された項目
    ※お問い合わせが多いHome support worker(4412)は含まれていませんのでご注意ください。

ただし、ヘルスケア職種にてELSSカテゴリーを利用する場合には、通常の条件の他に以下の追加要件(additional requirements)を満たす必要があるので注意しましょう。

-Additional requirements for healthcare occupations-
If you are employed in an ELSS-eligible healthcare occupation, you must have the registration and/or license to work in that occupation in B.C.

ELSS対象のヘルスケア職種で雇用される場合は、BC州での登録かライセンスの保持、あるいはその両方が必須となる。

BC-PNP-SI-EEBC-Program-Guide

関連職歴の規定に関する変更点

「2年間の関連職歴での経験」の廃止

これまでのSkilled Workerカテゴリーとして申請を行うには以下の申請資格の要件を満たす必要があり、BC州でオファーされる職種に関連した2年以上の職歴が無い場合は、申請対象外となっていました。

1) minimum two years of directly related full-time (or full-time equivalent) work experience in the skilled occupation that has been offered to you~後略~

最低でも2年間のフルタイム(あるいはフルタイム相当)の職歴が必要で、その職歴はBC州でオファーされている職種と直接的に関連した職種であること。

旧BCPNP Program Guide

今回の変更では、上記の要件が以下のように変更となり、申請資格の要件としては「2年間の関連職種での職歴」ではなく、「2年間のスキルド職種でのフルタイム(相当)の職歴」で良いことになり、申請対象者への間口が広がったと言えます。

You must have minimum of two years of full-time (or full-time equivalent) work experience in any skilled occupation (NOC 0,A or B)

BC-PNP-SI-EEBC-Program-Guide

ちなみにこの職歴はカナダ国外のものも対象となります。

それでも関連職歴はあった方が有利!

この変更は資格要件のみの話です。
BCPNPの点数要素である”Directly Related Work Experience(25点満点)”は引き続き残っていますので、間口は広がったものの、依然としてオファーされる職種との関連職歴があった方が最終的なスコアは高くなります。

High demand occupationへのポイント付与の廃止

これまでのBCPNPでは、High Demand Occupation Listに登録されている職種に従事している場合は、ボーナスポイントとして10点が加算されていました。

しかし今回の改訂によりこのボーナスポイントが廃止されることになりました。
それに伴い、これまで200点満点だったスコア(SIRS)が190点満点に変更されました。

BC州はこのHigh Demand Occupationへのボーナスポイントに代わるものとして、職種に特化したドロー(Targeted Draw)を行う、と発表しています。

まとめ ~BCPNPはこれからどうなるのか~

さて、これらのBCPNPの変更は対象者に対してどのように影響してくるのでしょうか。今後の動向観測は以下の通りです。

ヘルスケア・幼児教育従事者にはチャンス

ヘルスケア職種はTargeted Drawの対象となっていることから、今後は他の職種に優先してドローが行われる可能性が高いです。(現にBCPNP Techのドローは1週間ごとに実施されています。)
また、スキルド職種であるECEなどについては、Express EntryのCECのドローが止まっている現状を考えると、BCPNPは皆さんのPR取得を前進させる大きなチャンスと言えるでしょう。

ただし、ECEはこれまでHigh demand occupationに登録されていたためボーナスポイントの10点加算がありましたが、今回の改訂によりこのボーナスポイントは期待できなくなりました。その一方で、Trageted draw対象職種になっている為有利に働く可能性は高いです。

関連職歴が無い人にもチャンス

「2年間の関連職種での職歴」という規定が廃止されたことにより、オファー職種との関連職歴が無い人でも、スキルド職種での職歴が2年間分あれば、BCPNP申請の土台に乗れることになりました。

つまり今後はこういったシナリオが可能となります。

<カナダに来てECEの学校に通い永住権取得を目指すAさんの例>

【状況】
日本で大学卒業後、企業にて事務兼秘書として2年間働いた後カナダに留学。
児童教育に従事する夢を実現するため、Early Childhood Education(ECE)のコースを選択し無事卒業。ECE(Early Childhood Educator)としてBC州の雇用主から就労ビザもサポートしてもらった。

【これまでのBCPNPだったら・・・】
・オファー内容がECEなので、ECEに直接関連した2年間の職歴が必要。
・しかし、Aさんのこれまでの職歴は日本での事務/秘書2年間のみ。
→よって、BCPNPとしての申請要件を満たすのはECEとして2年間勤務をしてからとなる。

【これからのBCPNPなら!】
・必要な申請要件は「2年間のスキルド職種でのフルタイムの職歴」のみ。
・Aさんの日本での職歴がNOC BであるAdministrative Assistant (NOC1241)として証明できれば、Aさんは既にBCPNPの申請要件の一つを満たしたことになる!

※登場人物の経歴等は全てフィクションです。

つまり、カナダのオファー職種に関わらず、これまでの日本での職歴やカナダでの職歴がスキルド職種であれば、職歴要件は満たすので、より多くの方にBCPNPの間口が広がったことになります。

だけど注意点も!

職歴要件の他にもBCPNPには満たすべき申請要件があります。総合的なチェックと分析が不可欠です。

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