【IRCC】2026-2028年のLevels Planを発表

【IRCC】

2026-2028年のLevels Plan

発表

2025年11月5日、IRCCより2026-2028年のLevels Planが発表されました。
(出典:こちら)

Levels Planとは?

カナダ全土の年間移民受け入れ計画のことです。
毎年11月1日までにその年の年次報告書を議会に提出する際に提供されます。

Levels Plan見直しの目的とこれまでの経緯

カナダは長らく移民を歓迎してきている国です。
迫害、戦争、困難から逃れてきた人々、家族のためにより良い生活を築こうと努力する人々、大学で学ぼうとする人々、カナダでイノベーションを推進しようとする専門家たち…こうした人々の受け入れが、カナダの基盤を形作っています。

移民を歓迎する恩恵として、カナダに来る人々がカナダの繁栄に貢献しすること、そしてその見返りとして寛容で公平・多様性に富んだカナダの恩恵を提供するという約束の下、今日まで多くの移民が受け入れられてきました。
しかしながら、昨今、カナダの移民制度は複雑化していきました。近年では制度の管理の困難化による機能不全に陥り、カナダの移民受け入れ能力を超えるようになりました。
2018年には、カナダの人口の3.3%が一時的な居住者でしたが、2024年にはその割合が7.5%に倍増し、住宅供給、医療制度、学校に大きな負担をかけました。

政府はもはや持続可能ではなくなってしまったこの移民制度をこの国に住むすべての人々のために持続可能なものにし、カナダを故郷とする人々はもちろん、「暴力・迫害・追放から逃れてきた人々を歓迎する」という長年の伝統も継続していこうと対策しています。
昨今の対策の結果、
– 難民申請が3分の1減少
– 新たな外国人労働者受け入れ数が約50%減少
– 留学生の受け入れ数が2024年と比べて約60%減少
などの成果が表れています。しかしながらこれらは始まりに過ぎず、さらなる取り組みが必要であると考えられています。

2026-2028年のLevels Plan概要

★関税の影響を受ける産業や、地方・遠隔地の特有のニーズをより考慮する

★永住者の受け入れ目標を年間38万人に安定させる(2025年の39万5千人から減少)

★経済移民の割合を59%から64%に引き上げる

★新たな一時的居住者の受け入れ目標
  2025年:67万3,650人
  ↓
  2026年:38万5千人
  ↓
  2027年:2028年は37万人と減少の予定

2026-2028年のLevels Plan詳細

短期滞在者 (Temporary Resident) 受け入れ目標

2026年2027年2028年
合計385,000
(375,000–395,000)
370,000
(360,000–380,000)
370,000
(360,000–380,000)
就労者 (就労ビザ発行数)*230,000
LMIA免除:170,000
LMIA:60,000
220,000
LMIA免除:170,000
LMIA:50,000
220,000
LMIA免除:170,000
LMIA:50,000
学生 (学生ビザ発行数)**155,000150,000150,000

*2025年との比較
LMIA免除:128,700 (2025年)→約32%増加予定
LMIA:82,000人 (2025年)→約27%削減予定

**2025年との比較
学生ビザ:305,900 (2025年)→約50%削減予定

永住権希望者 (Permanent Resident) 受け入れ目標

2026年2027年2028年
合計380,000
(350,000 – 420,000)
380,000
(350,000 – 420,000)
380,000
(350,000 – 420,000)
Economic Immigration
(2025年:232,150)
239,800
Low:224,000
High:264,000
244,700
Low:229,000
High:268,000
244,700
Low:229,000
High:268,000
Family Reunification
(2025年:94,500)
84,000
Low:78,500
High:92,000
81,000
Low:75,000
High:90,000
81,000
Low:75,000
High:
90,000
Refugees, Protected Persons, Humanitarian and Compassionate, and Other
(2025年:68,350)
56,200
Low:48,000
High:64,000
54,300
Low:46,000
High:62,000
54,300
Low:46,000
High:62,000
French-speaking admissions outside of Quebec9% (30,267)9.5% (31,825)10.5% (35,175)

各州PNPの活性化

2025年は各州PNPのITA発行数が50%削減されたことを受け、多くの人々が永住権申請の機会を得ることができない状況が続いておりましたが、同年後半に方針転換があり、最終的にオンタリオ州とプリンス・エドワード・アイランド州を除く州でPNPの割当数が増加しました。

2026年以降も引き続き、PNPの活性化を予定しています。
これにより、例えばExpress Entryの申請条件を満たせない方も永住権取得のチャンスに恵まれることが期待されます。

一度限りの取り組み

以下2種の移民受け入れ方法について、一度限りの実施を検討しています。

一度限りの取り組み (1)
今後2年間でカナダにいる保護対象者のうち、条件を満たす人々を永住者として認定する取り組みを提案しています。
これは、母国に戻ることができないという人々の現実を反映した実践的な措置です。
真に保護を必要とする人々の永住資格を認めることで、カナダ社会への完全な統合と市民権取得への道を加速させます。

一度限りの取り組み (2)
2026年・2027年に最大33,000人の就労許可保持者を永住者へ移行させる措置も提案しています。
地域社会に深く根付き、税金を納め、カナダの強い経済の構築に貢献している労働者が対象となる予定です。

今後の目標

◆2027年以降の永住者数:カナダの人口の1%未満を目指す

◆一時的居住者の総数:2027年末までにカナダの人口の5%未満まで削減することを目指す
 *削減のために実施されているおもな対策
  ✅学生ビザ発行の上限数設定
  ✅各種ビザ (ポスグラ・配偶者就労ビザ) 申請条件の厳格化
  ✅LMIA申請条件の厳格化失

移民制度の管理力・明確性・一貫性を回復し、思いやりを持った選択を維持しながら、経済の競争力を高めていくことを目標としています。

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