IRCC
留学生に関する
一部のルールを変更
学生と就学環境の保護のために
IRCCより、学生ビザ・Post Graduation Work Permit (通称:ポスグラ/PGWP)に関する一部のルール変更の発表がありました。(出典:IRCCウェブサイト)
概要
カナダは、高品質な教育機関、多様で歓迎的な社会、そして卒業後の就労または永住権の機会が多くあることから、留学生に人気の国となっています。しかし一方で、カナダで就学しながら生活していく上で適切な環境(住居や経済状況など)を維持することが困難など、いくつかの深刻な課題にも直面しています。
そこでIRCCは、
(1)新たな残高証明書の必要金額設定
(2)オフキャンパス就労に関する特別処置の延長
(3)Post Graduation Work Permit(通称:ポスグラ/PGWP)の期間に反映される条件
(4)ポスグラ延長措置の終了
を発表しました。
(1)新たな残高証明書の必要金額設定
2024年1月1日より、学生ビザの申請の際に提出する残高証明書の額面が最低でも$20,635以上 (プラス初年度の授業料と渡航費用)あることが必須となりました。これは、従来求められていた$10,000の2倍以上の金額となります。
学生ビザ申請者の生活費に関する要件は2000年代初頭以来変更されておらず、$10,000と設定されていました。しかしながらこの基準は、近年の物価上昇率に追いついておらず、その結果、多くの留学生たちがカナダ到着後に資金難に直面することとなりました。そのような経緯から、2024年1月1日より、学生ビザ申請の際には、最初の年の授業料と旅行費に加えて、LICO*の75%に相当する$20,635を保持していることが必須となりました。
*Low-income cut-off:貧困ラインの判断基準となる年収のこと。インフレ率により変動し、世帯収入に関してはその世帯内の人数によっても変動する。一般的に、この数値以下の場合に「貧困」とみなされる。
(2)オフキャンパス就労に関する特別処置の延長
通常、週の就労時間は20時間以内と定められている学生ビザですが、一部留学生に関しては20時間以上の就労を認めるという政策があり、その延長が発表されました。現在カナダに滞在する留学生に加えて、2023年12月7日までに学生ビザを申請した留学生も週20時間以上の就労が認められます。
この政策は現時点では2024年4月30日までのものだと発表されていますが、政府はこの政策に限らず、留学生の就労に関する規則の改善を検討しており、例えば、週の就労時間を20時間以下から30時間以下に変更する案などが挙げられています。
(3)Post Graduation Work Permitの期間に反映される条件
Post Graduation Work Permit (通称:ポスグラ/PGWP)の期間に反映される条件として、「履修しているコース(カナダ国内/フルタイム就学であること)のうち、オンラインでの授業が50%未満である」場合、それらがポスグラの就労期間として換算されるという政策がありますが、新たに2024年9月1日よりも前に学習プログラムを開始した留学生が対象となり、それ以降に開始する留学生には適応されないこととなりました。
この政策はもともと、パンデミック中の渡航制限への対応として2020年に初めて適用され、現在でも留学生の大半に影響しています。
(4)ポスグラ延長措置の終了
パンデミックやその後の経済復興時の労働市場の混乱に対応するために、ポスグラを追加で18ヶ月延長することができる政策が3回導入されてきました。
引き続き、ポスグラが2023年12月31日までに切れる場合、申請の対象となりますが、これ以上の延長はされません。
(5)変わりゆく体制
この度の変更は、2023年10月27日に発表された国際学生プログラムの重要な改革(出典:IRCCウェブサイト、参照:弊社ニュース記事)に続くものです。
これらの改革は、政府が留学生に対してトップクオリティのサービスとサポート(住居を含む)を提供する教育機関(DLI:post-secondary Designated Learning Institutions)を把握すること、また各教育機関が適切なサポートや住居オプションを提供できなくなるほどの留学生数を受け入れないことを目的としています。
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